JLPT N1 · Question 13
Not quite
That is not the right answer.
現代社会において、我々は膨大な情報に囲まれて生活している。しかし、それらの情報は、受け取りやすさを優先するあまり、しばしば「定型化」された状態で提供される傾向にある。
情報の送り手は、効率的に多数の人々へメッセージを届けるため、複雑な文脈を削ぎ落とし、分かりやすい「正解」の形に整えてしまうのだ。我々はその利便性を享受する一方で、知らず知らずのうちに、あらかじめ用意された枠組みの中でしか思考できなくなるリスクを孕んでいる。
真に価値のある思考とは、そうした既存の枠組みを疑い、混沌とした事象の中から自らの力で意味を紡ぎ出していくプロセスにこそ宿るものである。
「分かりやすさ」という甘美な罠に陥り、自律的な思考を放棄してしまえば、我々の精神は次第に均質化され、個別の輝きを失っていくことになるだろう。
筆者がこの文章で最も伝えたいことは何か。
Your answer: 情報の「定型化」は、複雑な社会問題をより多くの人が共有し、議論するために必要なプロセスである。
Correct answer: 情報を効率的に受け取ることの代償として、自ら思考し意味を見出す力が失われることを警戒すべきだ。
Vocabulary
- 膨大な — vast; enormous
- 定型化 — standardization; routinization
- 傾向にある — to tend to; to have a tendency
- 送り手 — sender (of information)
- 文脈 — context
- 削ぎ落とし — stripping away; paring down
- 利便性 — convenience
- 枠組み — framework
- リスクを孕んでいる — to be fraught with risk; to involve risk
- 宿る — to dwell; to reside
- 混沌とした — chaotic
- 紡ぎ出していく — to spin out; to create
- 甘美な — sweet; luscious
- 自律的な — autonomous; independent
- 放棄 — abandonment; giving up
- 均質化 — homogenization