JLPT N1 · Question 11
Not quite
That is not the right answer.
かつて、書物を創造する者とそれを享受する者の間には、一種の「共犯関係」にも似た密接な繋がりが成立していた。
その背景には、著者が想定する読み手の教養や価値観が、自分自身のそれと見事に重なり合っていたという事実がある。
言い換えれば、著者は特定の「共通言語」に依拠して、メッセージを紡ぎ出すことが可能だったのである。
しかしながら、現代の読者は、国籍や文化的背景、さらには年齢層までもが多岐にわたる、正体不明の群衆へと変貌を遂げてしまった。
こうした「読者の不透明さ」が増した結果、書くという営みはかつてないほど孤独で、困難な性格を帯びるに至ったのである。
筆者は、現代の書物や読者についてどのように考えているか。
Your answer: 読者が本を読む目的が教養から娯楽へと変化したため、著者は読者の期待に応えるような物語を創作する必要がある。
Correct answer: かつては著者と読者が共通の基盤を持っていたが、現代は読者が多様化し、著者が特定の「読者像」を想定して書くことが困難になっている。
Vocabulary
- 創造する — to create; to produce
- 享受する — to enjoy; to receive; to appreciate
- 一種の — a kind of; a sort of
- 共犯関係 — complicit relationship; partnership in crime
- 密接な — close; intimate
- 繋がり — connection; bond
- 成立していた — was established; was formed
- 背景 — background; context
- 読み手 — reader
- 重なり合っていた — were overlapping
- 共通言語 — common language
- 依拠して — relying on; based on
- 紡ぎ出す — to spin out; to create (words/stories)
- 多岐にわたる — wide-ranging; diverse
- 正体不明 — unidentified; anonymous
- 変貌を遂げてしまった — has undergone a complete transformation
- 不透明さ — opacity; lack of transparency
- 営み — activity; act; endeavor
- 孤独で — lonely; solitary
- 性格を帯びる — to take on a character/nature
- 至った — reached (a state); led to